映画(3)

フランソワーズ・サガンの生き様を映画化した「サガン 悲しみよこんにちは」を鑑賞。
ぼんやりさせない映画です。目を離したら登場人物全然知らない人だらけになります。
あっというまに終わる映画(な気がする)でサガンの人生そのものかもしれません。
ろくにサガンの本も読んでないのであれなんですが兎に角凄い。何が凄いってお金の使い方がキチガイレベル。何億使ったのだろう。稼いだ以上に使いまくり借金だらけになる姿が普通じゃない。周りの人取り巻き達はほとんど止めない。止める人をサガンは嫌った。自然とタカリばかり集まる。
サガンを演じたシルヴィ・テスティがそっくりでした。
上がシルヴィ 下がサガン


このシルヴィ・テスティはエディット・ピアフの映画にも主役でピアフを演じてます。これがまたそっくり。達者な女優です。

富も名声も家族も友人も全て手に入れてそして全て崩壊していく姿の根本には「孤独」から抜け出せない独りの女性が居て、いくら満たされてもまるで底に大きな穴が開いている器の心を持った人だったのかもしれない。
満たされることの無いその心が文字を走らせたのかもしれない。
捨てないでとすがるよりも「ああ捨てられたこれでようやく落ち着いた」という声が聴こえてきそうな生き様。サガンは捨てる側の人間じゃなかった気がしてならない。自ら一番望んで産んだ息子以外。
ひょっとして息子には捨てられたくなかったから先に捨てたのかもしれない。