歓喜の歌

丁度一週間前ツバメの巣が小屋の天井から落ちてきた。毎年ヒナを育てて巣立っていく専用の場所を今年は蛇がよじ登り巣に入り込んだのだ。折角3匹孵化したヒナは2匹蛇の餌食となってしまった。巣の中で暴れたせいか巣ごと蛇も下の車庫に落ちてきた。しょうがないうちでちょっと面倒見るかなということで

とりあえず籠を買って来て入れてみた。ツバメをこんなに真近で観る事は今まで無いのでまじまじと見る。可愛い。くるくるとした黒目。喉のあたりにある不揃いの茶色の羽。全体的にぼさぼさだが口元がきりりとしているのでみすぼらしさが無い。心配していた餌は母鳥がちゃんとやりに着ていたので一安心した。

よく食べよく鳴きよく動いてた。

水入れがお気に入りの場所だったみたい。
籠住いになってから6日経った。

飛ぶ日が近いと感じた。きりりとした雰囲気になり毛も生え揃ってきた。水入れに入る事はもう無かった。

7日の昼過ぎ用事をすませて車で家に帰ってきたら庭の真ん中で姑が空を見上げて突っ立って居た。「どうしたの」と車中から窓を開けて聞くと「もう飛んで行っちゃったよ」と3回繰り返して言った。

ああ行っちゃったんだ。良かったじゃんツバメのヒナは保護して飼う鳥じゃないみたいだし巣立てるか解らなかったんだし良かったじゃん。
空を見上げてみるとぐるぐるツバメが回ってる。母鳥なのかヒナ鳥だった鳥なのかよくわからないけど喜んでいるみたいに鳴いてるよ。